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    #1 御挨拶
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     2010年11月


我が町の曳山自慢5(木綿町)

武田信玄の兜塗り替え事業レポートへリンク(唐津観光協会)


 異常に暑かった夏が去って、秋がようやく本番になったころ、唐津の町にはくんち囃子の笛の音がどこからともなく聞こえてきます。このページ11月号恒例の「我が町の曳山自慢」の5回目に登場していただくのは、木綿町(きわたまち)の正田俊輔さんです。ご近所で人気者の自転車屋のお父さんが、唐津弁で語って下さいます。みなさん、唐津弁、おわかりでしょうかね?がんばって読んでください。ちなみに木綿町のヤマは、9番、「武田信玄の兜」(元治元年1864造)です。今年は総塗り替えでおめでたいことです。曳山巡幸で見かけたら、子供たちに手を振ってあげて下さいね。
では、どうぞ。




子供たちへ
木綿町 正田俊輔




 こんにちは。
 木綿町と言うところに居を構え、二輪の販売店を生業としております正田です。今回「わが町曳山自慢」を書いて!と、言う事でお題を頂きましたが・・・・はっきり言って人に言いたくはありません!つうか・・・・その言葉自体、あなたの哲学を語って!と声に聞こえてなりません。自分の曳山や祭りの自慢は自分の中と自分の地域の中で培って行く話。したがって 今回は自分の子供達5人や近所の子供達に話す事を、普段着感覚で書かせて頂きます。まったく曳山とは関係ありません。悪しからずご容赦下さい。
--------------------あのねぇ、うちんがた、江戸時代から刀鍛冶だったとよ。普通の鍛冶屋さんと違って、刀鍛冶は武士扱いだったらしか・・・ 小笠原の殿様と一緒に江戸から唐津に引っ越してこらしたと。今で言う転勤の殿様ごと版みたいな感じ・・・・ そいで、丁度、鍛冶屋さんの町だったこの木綿町に住ましたと。そいで刀のいらんごてなった明治ご維新から、その鉄を扱う技術をベースに鍋や釜作り、そいから機械物や自転車修理、そして今はバイク屋さ。。。。てな感じで・・・・お話させて下さい。

 な~あ!ところでお前たち、くんちは楽しい?お父さんは最近あんまり楽しくないっちゃん。子供の時は毎日でん、くんちが良いて思いよったけど、せないかん事ばっかり増えて、最近はあんまり楽しくないと。なら、ナシかたると? せんだったらいいやん? て言われるかも知れんけど・・・・そいは、お前達も含めた町内の子供達が楽しそうな顔しよるけん!かなぁ・・・・・
 子供の時のくんちは、11月の2・3・4日の三日間だけだったばってん、大人になるにつれ、くんちばする為の準備ももちろん、この町で行う年中行事そのものが、くんちを楽しく迎える準備てわかって来たとさ。そりゃ~ くんちだけかたるで良いなら、今でもくんちは楽しかて思うよ。ばってんこの町の行事はくんちだけやないやん。子供クラブ・春と秋の天満宮さん・消防団・資源ごみ集め・婦人会・敬老会・て、どれも町内行事やん。そしてどれも町内の大切な行事であり、みんなで協力せないかん行事て思うちゃん。せんならせんで、暮らして行けるとかも知れんけど。「誰かがせないかん事」て、お父さんは思うし、爺ちゃんもひい爺ちゃんも、そん前の爺ちゃんも先祖さん含めてみんながして来らしたっちゃん・・・・ お前達はくんちも含めた町内の行事に楽しく参加できる権利ば持っとると!同時に「あ~ やおいかん」て思いながらも、行事に参加せないかん義務も持っとると!楽しい事はしたか・・・・  でも 嫌な事はしとうなか・・・ では、この町に住むモンにとって、楽しいくんちが出来んとよ。小学校の時に楽しかった子供クラブの行事も、中学・高校てなったら段々楽しい事の少なくなってくるやろ?「よその町内は中学・高校生はいっちょんかせしよらんとけ」て思うやろ?ばってん、考えてみてん・・・小学校の時、なしあやん、子供クラブの楽しかったと?て考えたら「小学生の楽しいとなら」て、かせしてくれた中学生や高校生の兄ちゃん達のおらしたけんばい。やっけん、小学校ば卒業しても「子供クラブ行事には、かたれ」て言うとよ。実際、し始めたら町内の中高生も沢山おるけん、一人で手伝うなら楽しくない子供クラブ行事も、どうにかこうにか楽しく出来るやろが・・・・・お父さんも子供の時には子供クラブ行事は楽しかったさ。ばってんそれには、眠いはずとに早起きして来て、お父さん達ば楽しくさせてくれた近所のおじちゃんのおらしたけん・・・て、こん頃 わかったとさ。やっけん 自分が楽しかったけん、子供クラブの行事も 町内の子供達が楽しそうにしとるなら自分の時間を削ってでもしてあげたいとよ。今は、町内の子供達みんなが「くんちは楽しかぁ」だけでよか・・・・子供ちゃけん、そいで十分。でも大人になるにつれて、くんちは大切、曳山は大切かばってん、もっと大切な事の出てくるて思う日の来るて思う。同時に、「あ~も」て思う日の来るて思う。ばってん、町内みんなですれば、何でも楽しい事・・・てなるごて、今のうちからいっぱい近所のモンと遊んで楽しむ事が、お前達の今せないかん事ぞ・・・・   

 「やっけん、早よ遊んでこい!」 まっ!こんな感じで、店舗兼住居の我が家では日々 町内の子供から大人まで、24時間バリアフリーで出入りしています。曳山はむろん大切で。いつまでもこの町が楽しい町である為には欠かせないアイテムだと思います。

 今年は26年振りに、その曳山が総塗替えでピカピカになって、おくんち当日は皆さんの前にお目見えします。期待して見て頂ければ嬉しく思います。同時にそのピカピカになった〈町内が仲良くする為のアイテム〉をピカピカの笑顔で曳いている子供達を、やさしく見守って頂き熱い声援を送って頂ければ嬉しく思います。この町には楽しい事も沢山あります。同時に 俗に言う大人の世界の、見なくていい事、聞かずにいい事も沢山あります。でも家の近所を学年を問わず笑って走り回っている子供達が大好きです。
「いつも兄弟の様に過ごす近所の子供達!」これが わが町の自慢です。




正田家祖先




自転車店の創業時




現在の正田商会




昔の曳山写真




同じく昔の写真




きいろ組の子供たちと




NHK出演




店の前で




武田信玄の兜正面 




子供クラブ行事でがんばるこどもたち




正田俊輔さん


 
  最後に一言。曳山は14町内あり、それぞれのしきたりたルールがあります。同時に、各家々でもそれぞれのルールや考え方があると思います。今回のお話は、わが町とわが家の個人的な考え方です。ご理解頂ければ幸いです。




塗替落成式典時の記念写真
 

はい、正田さん有難うございました。暖かい人柄のにじみ出たお話でしたね。総塗り替えの済んだ信玄の兜がさぞキラキラと秋空の下で輝くことでしょう。そして、暖かい大人のいる街でのびのびと育つ子供たちの目もまた輝き、頬は紅潮し、掛け声は秋空高く響くでしょう。
皆様、応援してあげて下さいね。「信玄の兜」ですよ。風林火山ですよ。この子たちは野球も上手です。この夏唐津市で初優勝!曳山を守る、こどもたちを守る。町を守る。信念のオヤジ、正田さんに乾杯!
自慢のこどもたち

ではまた来月。







今月もこのページにお越しくださって
ありがとうございました。
また来月もお待ちしています。


洋々閣 女将
   大河内はるみ


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