#202

平成29年1月

謹賀新年

リチャード・ヘンリー・ブラントン
1841-1901
日本灯台の父
写真wikipediaより
このページは女将が毎月更新して
唐津のお土産話やとりとめもない
おしゃべりをさせていただくページです。
他の方の参加も歓迎です。
バックナンバーもごらんください。



 
こおれる月かげ空にさえて
真冬の荒波よする小島
想えよ灯台まもる人の
とうときやさしき愛の心


灯台守の歌 イギリス民謡
作詞 勝承夫


 皆様、新年あけましておめでとうございます。
年頭をかざっていただくのは、闇夜を照らす灯台のおはなしです。
玄界灘の中ほどに浮かぶ小さな玄武岩の島・烏帽子島は、福岡県糸島市に属する島ですが、唐津からも天気のいい日には見えます。唐津市呼子町とは深い関係があるのです。
わたくしは長い間この島に心惹かれていました。このたび素晴らしい書き手にめぐりあうことができまして、烏帽子島の灯台についてくわしく語っていただきます。
呼子八幡神社の宮司様の八幡崇経様です。八幡様は「呼子鯨組」というグループの代表でもいらっしゃいます。
八幡宮司様、八幡神社、鯨組のご紹介は最後にさせて頂くとして、さっそくPDFファイルにて烏帽子島の灯台までお出かけください。お帰りにまたこちらのページに戻って、八幡様とお会いください。
ではごゆっくり。





 烏帽子島灯台
八幡崇経




 いかがでしたか?唐津でも御存じなかった方がたくさんあることと思います。
では、八幡様の自己紹介です。

  八幡崇経

昭和33年 呼子町生れ。58歳。
昭和56年 私立皇學館大学卒業。

昭和62年 私立愛知学院大学文学研究科修了。

昭和63年~平成13年 伊勢神宮奉職。
平成13年~ 呼子八幡神社宮司。
平成28年 鯨組主中尾家屋敷の指定管理を受託。


(成果物)

平成17年 呼子町文化連盟編 『再興呼子鯨組ー玄海のくらしと鯨ー』
平成27年 呼子鯨組編 『呼子とクジラのはなし』

 「呼子鯨組」という任意団体を組織して、佐賀県重要文化財の鯨組主中尾家屋敷を中心に、郷土史や鯨文化を発信するとともに、次世代に伝える取り組みをおこなっています。呼子八幡神社は、中尾家の信仰も篤く、本殿の一手普請や御神輿の奉納など歴史的にも縁が深かったようです。
 烏帽子島灯台については、灯台官舎がすぐ近くにあり同級生もいたことから、小さい頃から興味がありました。
 平成25年、唐津海上保安部に明治からの灯台資料が残されていることが分かり、目録作成を行いました。奇しくも翌26年は灯台初点灯から140年ということで、写真パネルを作成し、記念展示のお手伝いをさせていただきました。
 地元には、補給物資の荷揚げを手伝った世代の人がまだ健在で、聴き取りをおこなったり、烏帽子島の職員さんが撮ってくれたという記念写真なども提供いただきました。地元では職員やその家族と交流のあった人もいて、灯台官舎は忘れられない存在です。


   
 呼子八幡神社から呼子町と港を見下ろす夕景  中尾家末裔の方々と鯨組のメンバー
 
烏帽子の灯台を建設したブラントンはスコットランドの人。私がスコットランド旅行で渡ったフォース川の鉄橋は日本人技師渡辺嘉一氏が100年以上前につくったものでした。歴史はクロスしているのですね。
どうぞ皆様の暗闇にも烏帽子灯台の光が届きますように。そして今年一年が平穏な日々でありますように。
 今月もこのページを訪れてくださってありがとうございました。またお会いしましょう。

                             洋々閣 女将    大河内はるみ

                               mail to: info@yoyokaku.com