#222 平成30年9月

このページは女将が毎月更新して
唐津のお土産話やとりとめもない
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なんぞこの()のここだ(かな)しき 万葉集 東歌
~人形と生きる~

人形作家 中島喜代美
 猛暑の中でなんとか8月を無事にお過ごしになりましたでしょうか。まだまだ残暑が異常ですが、かわいいお人形でも見て、一息お入れになりませんか。

 今月号でご紹介するのは、唐津市在住の人形作家・中島喜代美さんです。彼女のお店はもともと洋服、ランジェリーの洋品店ですが、趣味の人形作りが評判を呼んで、今ではファッションよりは右上の写真のように人形展示販売場になっています。
 たくさんの人形がところ狭しと並ぶ陰に、小さな机とイスを置いて、店番かたわらこつこつと人形の手作りに励んでいます。
 彼女の人形の特徴は、「ぶさいくでかわいい」ということです。
『ぶす人形』というかわいそうな名を持つ人形たちの、なんといとしいこと。作家の限りない愛が注がれて、この人形たちは作家とともに人生を生きています。
 遠くからわざわざいらっしゃった老夫婦は、きっとなにかしらわけがおありになって、喜代美さんの人形に生きていく勇気となぐさめを探しておられるのではないでしょうか。

 『ぶす人形』のなかには、どうも私がモデルではないかとひそかに思ったりするのがあって・・・、あはは、おかしいねえ。真相は闇の中。

 ではどうぞ皆さん、洋々閣女将に似た人形を探してください!

 
   「ミニおいらん」
いつか私もきれいな、ひかり輝く太夫になれますように。
 「きよちゃん」
誰かあそぼう!
 
   「おもかげ」
あの方は今どこに・・・。
 「しゃれうさぎ」
めいっぱいおしゃれしてお出かけします。
 
   「ふたり静か」
 
『南総里見八犬伝』の伏姫
八房(犬)がくわえているのは敵将の・・・。
おおこわ。
 
   むかしむかしあるところに、鬼のムスメがおったげな。下の村の若者に恋をしたけど、鬼の子じゃとて嫌われて、ムスメは悲しゅうて泣いたげな。
ちりめん古布の椿
「赤い椿、白い椿と落ちにけり」 碧梧桐
 
   「ようかいうさぎ」
私って、きれい?
 
中村扇雀の夕霧太夫
人形のように美しかった。
 
   うさぎのお祝儀
しあわせ!!!
 
ラストエンペラー
 
   
長谷川一夫の雪之丞
「流す涙がお芝居ならば・・・」
 「ブス ぼんぼん」  
  「 ネズミの嫁入り」
洋々閣女将の弟が小学校一年のとき、
学芸会でネズミの嫁入りの劇の主役になった。
父が古いゴムホースで長いしっぽを作って
腰に下げさせたら、なんともリアルで気持ち悪かった。
弟がちょっとかわいそうだった。
「 頭を抱えたネコ」
洋々閣女将はお金がない時、こんな顔をする。
すると、どこからかお金がわいてくる。
 
   
「夢二の黒猫」
竹久夢二は唐津にも来ました。
 「花のはこ犬」  

 
   中島喜代美作家へのインタビュー

◎人形つくりのきっかけは?
いろいろな手芸をしましたが、
自分の個性、気持を表せる人形作りにいきつきました。


◎尊敬する人形作家は?
てほどきを受けた小島喜代子先生。

◎あなたにとって、「ぶす人形」とは?
”いやし”でしょうか・・・。

◎今、一番作りたい人形は?
「松浦佐用姫」です。
 唐津市中町の店  

いかがでしたか?「なかしま」というお店は、唐津市中町にあります。「おしゃれの店」という看板で、人形とは出ていませんが、ショーウインドウの大きな人形でわかると思います。
いちど、お立ちよりください。喜代美さんとお姉さんが二人で店番をしていらっしゃいます。美しいものに囲まれると、ひとは優しくなりますね。
今日もひと針ひと針、喜代美さんの指先は色とりどりの絹糸に乗せて愛を運んでいます。

ではまた来月。

今月もこのページを訪れてくださってありがとうございました。またお会いしましょう。
                              洋々閣 女将 大河内はるみ
   
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